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さわ

Author:さわ
平成25年1月末、
『 地域包括ケアに欠かせない多彩な資源が織りなす地域ネットワークづくり
~ 高齢者見守りネットワーク みま~ものキセキ! ~ 』出版決定! 

今から取り組めばまだまだ間に合う!
無縁社会、孤立死、地域崩壊・・・に立ち向かうための処方せん。
超高齢社会を乗り切るための「地域におけるネットワーク」づくりのヒントをすべて教えます!
みま~もの5年間の軌跡(奇跡)を余す所なく紹介しています!
地域包括支援センター職員はじめ、保健・医療・福祉関係者、地域づくりに関わるすべての方へ必携です!

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レールが足りない。

 先週、ケアマネージャーAさんから連絡が入った・・・。

 彼女が新人のケアマネージャーとして、管理者とともにあいさつに事務所に訪れてくれたことを昨日のように思い出す。

 栄養士からケアマネージャーという新しい世界に入ったAさん。当時、今の医療法人のケアマネージャー管理者だった私に、「いろいろと教えてください!」と、自分をまっすぐ見据える瞳には、これからの決意がしっかり映っていた。

 あれから5年の歳月が流れた・・・。Aケアマネージャーは、今、地域のベテランケアマネージャーとしてがんばっている。3年前、包括支援センターに異動した私も、様々な利用者を一緒に関わってもらっている。

 「沢○さん、Bさんのことは、本当にあれでよかったのでしょうか・・・・?」
ため息混じりに、Aさんからこんな言葉がもれた・・・。 

 80歳Bさん・・・・。

 生まれ育った北海道から上京し、50年以上この町で暮らし続けた・・・。夜の銀座で働き続け、結婚せず今に至っている。

 何年か前から、認知症の症状により身の回りのことが少しづつできなくなっていった・・・。

 しかし気丈なBさんは誰にもSOSの手を挙げず、手をさしのべてもらうことを、「よし」としなかった。

 自宅に閉じこもることが多くなり、何年も風呂に入らず、着の身着のままの生活。食事も買ってくるもので済ませることが多くなったが、昔からの習慣で夜は必ずお酒を飲み、その量は増えていく・・・。

 「自分の思うように身体が動かない」、「今までの記憶が無くなっていく」、「それでも頼る人なんていない・・・」そんな思いや葛藤が、Bさんの表情を険しく、人を寄せつけない形相に変えていった。

 このBさんと私たち専門職をつなげてくれたのは、地域活動をしていたCさん夫婦でした・・・。

 Cさん夫婦は、閉じこもりがちにしていたBさんに声をかけ、地域活動普及のためのチラシ折りを「手伝ってほしい」と、Bさんに声をかけた・・・。

 それからBさんの日課の中に「11時からCさんの事務所でチラシ折り手伝い」というスケジュールが習慣化されていった。

 初めて私がBさんとお会いしたのもCさんの事務所でした。「私が来ないと、このチラシを配る準備ができないから・・・」と、自分に役割があることをうれしそうに私に伝えてくれていた。

 介護保険申請。Bさんの場合、介護保険サービス利用だけでは解決しない多くの問題が考えられる。そのようなことを考慮し、AケアマネージャーにBさんの担当ケアマネージャーを依頼した。

 しかし、認知症の進行は、Bさんを地域から孤立させ、身体までむしばんでいく。あれほどCさん夫婦に感謝して、毎日手伝いに来ていたBさんだったのに、「あの人たちは、私が持っているものをねらっている!信用ならない!」と、パタッと事務所に来なくなった。

 心配するCさんと、Bさん宅に訪れたとき、栄養不良と脱水症状があり救急対応。そのまま入院となりました。

 栄養不良と脱水での入院なので、点滴での栄養補給で体調は回復しましたが、在宅での一人暮らしは困難なため、Aケアマネージャーと相談し施設入所を検討していくことにした。

 しかし認知症によるマンツーマンでの対応が必要と考えられるため、どこの施設も断られる・・・。

 認知症対応型施設(グループホーム)での1日体験入所も行いましたが、その結果グループホームからAケアマネージャーが言われたことは、「Bさんは深い認知症なので、たぶんグループホームではどこも対象とはならないでしょう・・・」という返事。( 施設相談員が判断する「深い認知症」とは、一体どのような症状の認知症を指すというのでしょう???)

 結局、Bさんを受け入れてくれたのは、有料老人ホームの指定を受けていない、地域にある高齢者アパート「○○荘」。ここは社会福祉士のNさんが運営している。(ブログでも何度か紹介しています)

 食事の提供はしているが、介護の必要な方はケアマネージャーの計画により介護保険サービスで対応する。

 Aケアマネージャー、Nさんという、専門職がBさんの新たな生活をしっかり支えた。

 「何でBさんをグループホームで受け入れてくれないの?うちよりまちがいなく職員の人数も、職員の経験もあるはずなのに・・・。それに何の問題もないよ!昨日お風呂も入ってくれたけど、病院では湯船に入ってなかったのかしらね?生きた心地がするってほんとに喜んでくれてたのよ」と、Nさんは笑顔で語る。

 何件も、何件も、Bさんが入所できる施設を探し、Nさんが運営する、この○○荘にたどり着くことができたAさんは安堵の表情を見せていた・・・。

 あれから約2年。人との関わりを一切拒絶し、険しい表情を崩さなかったBさんは、施設の中で友人もでき、日々、笑顔絶やさず暮らしている。

 Bさんに、以前から申請をしていた特別養護老人ホームから、「受け入れ可能」との連絡が入った。生活保護受給者であるBさん。今後のことを考えると、次にいつ声がかかるかわからない特別養護老人ホームからの受け入れは、断る理由がない。ある意味最善の選択です。

 「でも・・・・」と、Aケアマネージャーは言う。

 認知症の進行がありながらも、Nさん、友人たちと、楽しく「今」を、○○荘で生活しているBさん。しかし、環境の変化、今の人間関係からの離別、そして、多くの入居者がいる中での集団生活は、Bさんの認知症の進行を早めてしまう結果にしかならない。

 Bさんの特別養護老人ホームへの入所日が近づいています・・・。

 認知症になっても、一人で暮らすことがどんなに困難になっても、我が人生の選択肢は、一つではない、一つであってはならない。

 誰しも、人生の中で出逢った多くの人たちによって、人生は変わっていく。Bさんは、Aケアマネージャー、Nさん、○○荘で暮らす友人たちに出逢ったことにより、認知症の進行がありながらも自分らしさを取り戻していった。

 多くの友人に囲まれ、○○荘が、自分を理解してくれる人たちがいる住み慣れた家。しかし、自分の意思のないところで、特別養護老人ホーム入所というレールができあがっている。

 Nさんも○○荘にいることを勧める。Aケアマネージャーも、これでいいとは思っていない。だが、今後、認知症の症状が進行していくBさん。家族、親族に援助を求めることができないBさんの今後を考えると、寝たきりになっても入居が可能な、特別養護老人ホームへの入所が、現行制度の中では最善の選択なのです。

 一本のまっすぐなレールしか選択肢を提供できない。選択肢がない・・・・。わが国は、今後、高齢者は増加の一途をたどり、Bさんのように、頼る家族や親族がいない人たちが増加していく。

 一人暮らしで介護が必要になったとき、自らが生き方を選択できるために、必要とされる専門職でありたいと思うとともに、国の制度設計も、今の現状をそろそろきちんと見据えたものにしなければ、間に合わなくなる・・・。そんな気がしてなりません・・・。

 どこまでも脇道がない、まっすぐなレール一本では、長寿大国と、我が国を本当の意味で誇ることができませんね。
 

 

厳しい寒さが続く毎日ですが、木々は、ゆっくりゆっくり春の準備を始めています。
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テーマ: 地域包括支援センターの話
ジャンル: 福祉・ボランティア

コメント

記事とは別のNです。
沢さんは入新井駅の駅長さんなのですね!
次はみま~もホーム?行きの支線と列車でも
つくりますか?

赤字で閉鎖される時代に支線をつくろうとしているみま~もホームはなんとたくましいのでしょう・・・私、北海道のポッポ屋さんになりたいですi-35

Re: タイトルなし

北海道のポッポ屋さん・・・、いいですねぇ~。私、ポッポ屋の中の駅弁屋さんやりたいです!(笑)
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