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さわ

Author:さわ
平成25年1月末、
『 地域包括ケアに欠かせない多彩な資源が織りなす地域ネットワークづくり
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築 昭和24年(?)リフォーム計画!

 私が介護予防プラン担当の利用者Sさん。83歳女性「要支援2」一人暮らし。

 今日は久しぶりにSさん宅を訪れた。いよいよSさんが悩んだ末決めた自宅のリフォーム。このリフォームのトイレの洋式化・浴槽交換・流し・洗面台の交換を、区の住宅改修で行うため理学療法士Aさんと同行訪問したのでした。

 Sさんは、私が関わってからもう3年半ほどになる。

 心臓バイパス術後、介護保険を申請。現在は、週2回ヘルパーが入り、掃除などを行っている。当初は先々の不安のため気弱になり、毎日のように事務所に電話がきていました。

 Sさんは、祖父の代から、この大森に暮らし続けている生粋の江戸っ子・・・ではなく、もりっ子!

 この大森の地域は、Sさんにとって人生そのもの。それでも、当時のSさんにとっては、住み慣れたこの地で不安を抱えて暮らし続けるよりも、「土地を売って、どこかの施設に入り、安心して暮らしたい・・・」という思いの方が勝っていた。

 「沢○さん、どこかいい施設を紹介してよぉ~~~  」

 そんなSさんからの希望もあり、いくつかの施設を見学に行った。そして、1年かけてSさんが出した答えは、「築昭和24年」(Sさん本人談)の、住み慣れた自宅のリフォームだった。

 「沢○さんにはご足労かけたけど、どうも『施設』ってもんは、あたしにはきゅうくつに感じてねぇ・・・、性に合わないわ。万が一、一人で何かあったとしても、沢○さん頼むから変わり果てないうちに見つけてよね。でも、それも本望。やっぱり、この家でやりたいことをして生きていきたい!」

 Sさんの、 「築 昭和24年リフォーム計画」がスタートした。

 至る所に隙間があり、夏以外すべて寒い部屋。2階の寝室へ上がる階段は斜度55度、寝室の脇にポータブルトイレを置き、夜中のトイレに備えている。

 お風呂は、1階のスペースにユニットバスをボックスむき出しのまま置いてある。通常のユニットバスの半分の大きさの浴槽は、膝の悪いSさんには、かがんで入ることもできない。洗い場も手狭なため、身体を洗う時には、洗い場に置いてあるシャンプー、せっけんなどを裸のままいったん外に出し、洗い終わったあとにまた戻す。心疾患を抱えたSさんにとって入浴は、プロ野球選手の1試合分と一緒。心臓に負担がかからないわけがない。

 1階のトイレは、和式に洋式タイプのイスをはめ込んでいるだけ(汽車便)。しかも、和式の前と後ろにスペースがないため、横向きにはめこんでいるからトイレの扉が閉まらない。お客さんが来たらトイレを我慢している。来客者にも我慢させるのは悪いから、友人を家に呼ぶのは控えている。

 女性にとって大切な洗面台も、トイレを出た狭い動線を、邪魔するかのように幅を利かせている。しかも・・・・、低い!

 この、トイレの洋式化・洗面台の移動・浴室の交換を区の住宅改修で実施するために、区の理学療法士Aさんに確認をしてもらった。

 Aさん曰く、「たしかに必要だと思いますが、最近は区の助成の承認が厳しくて・・・。今までだったら通るでしょうが・・・・。もしかしたら浴室も、『風呂場の外にSさんの立位の高さに合わせたシャンプー・石鹸置き場を作ればいい。』という理由で、通らない場合も一応考えておいてください・・・。」

 ???区の住宅改修に関する対象が変わったなどという話は聞いていない。区の財政的な事情で厳しいから・・・などという理由でそのつどいつの間にか、対象基準まで変えられては、何のための専門職の訪問調査なのでしょう。

 Sさんにとっては、施設をあきらめ、生涯最後になるであろう大きな買い物。人生の最期を迎える場に、この最期の買い物をすることに決めた。

 しかし、全部自費で行うのであるとしたら、トイレの洋式化以外は予算的にあきらめざるを得ない。

 「対象基準は変わってないのだから、Aさんの専門的な必要性をしっかり書いてくださいね。心疾患を抱えたSさんに、裸で、しかもふろ場で、何回スクワットと同じ動作をさせるんですかねぇ~?これが対象基準にならないというのなら、対象となるものが何なのか聞きたいですよ・・・」と、Aさんにぶつけてみた。

 Aさんは、「本当にそうですよね。今のことも書き加えておしてみます  」と、力強く答えてくれた。

 だめならだめの基準を明確に!この基準の中で、専門職が必要と判断したものは、それ以上でも以下でもない。実施するべきなんです!

 Aさんと話しをしていた時、棚に飾られていた白黒写真が目に入った。女性二人が胴着を来て弓を持っている。Sさんに聞いたら、Sさんの母親(当時30歳)と、おばさん(当時19歳)が、近所の弓技場で撮影した写真だそうである。写真の裏を見たら、「大正13年撮影」と書いてあった・・・・。

 Sさんは、自分の人生の歴史が刻まれたこの地で暮らし続けることを選んだ。いろいろと悩んだのでしょうが、この決断を自分でしてからのSさんは、以前より生き生きとしているように見える。

 最近のSさんは、リフォームの金銭的負担を少しでも少なくするために、耐震住宅改修費助成申請手続きのため、何度も区役所に出向いては手続きを着々と進めている。

 「ここに暮らすと決めたからには、やるっきゃないわよね!」

 最近では私と会うたびに、この決め台詞がSさんから聞こえてくる。

 利用者自らが決めていけるための必要な情報を提供するのが私たちの役割。そして利用者の選択に、専門職として関わっていくのも私たち。

 すべてをやってあげる必要はない。必要な部分で専門性を発揮する。そうでなければ、利用者にとって、自分がどんな時に相談する人で、何のために関わってくれるのか・・・。正しい認識を持つことができない。

 便利屋や御用聞きではない。専門職として関わっているということを正しく認識してもらうこと!

 ケアマネージャー、包括職員・・・、利用者にとって、このような専門職が何をする人なのか?これを認識することは、自分の担当者を見てでしかできない。他を知らないのですから・・・・。

 理学療法士Aさんと私。今、専門職としての役割をSさんに試されています。
 


 我が包括支援センター前の空き地(グリーンロード)の包括ざくらも、桜吹雪が舞い始めました。桜の季節ももうすぐ終わりです。
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テーマ: 地域包括支援センターの話
ジャンル: 福祉・ボランティア

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